目黒雅叙園にて假屋崎省吾の華道展



友人に誘われて行って来ましたが、すごかったです。何が凄いかってまず雅叙園という場所が普通じゃない。日本にもこんな場所があったのかと驚きます。

「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋のモデルになっていると言えば、想像がつくでしょうか? 結構アニメのモデルに使われているそうですが、どう考えても日常から逸脱しているのでとっても納得してしまう。。天井から壁そして床とイタリア並みの装飾華美な空間。日本というより中国を思わせるようにどぎつくてエキゾチック。とにかく行ってみると、だれもが唖然としてしまうような別世界です。百段階段なんてのもありました。ちょっと巨大なお化け屋敷のような感じもするし、夜行ったら絶対に怖いと思う。

で、華道展の方ですが、まずあの場所を選んだのがさすがだと思う。というのも彼の作品はどれも大変グロテスクなので、あの雅叙園という場所にこの上なくふさわしく、それどころか一体化していた。まず思ったのは、花が植物ではなく、彼の手にかかると動物的な匂いを帯びてくるということ。実際クジャクの羽をあしらったものがあったけれど、あれは私にはきつすぎました。

あと私が思ったのは、彼は花が本当に好きなのだろうか?ということ。というよりも、花を大切に育てたことがあるのだろうか?と。どうも花をただの道具として使っている気がしてならなかったものだから。私は植物をこよなく愛する人間なので、切ってしまうなんて可哀想と思ってしまう。

もっと次元の違う話になるけれど、花というものは、本来ただそれだけで美しいものではなかろうか。自然の美しさというのは純粋で崇高なのに、なぜいか人間の手にかかると、人工的な装飾におとしめられてしまうような気がしてしまう。といっても、贈り物として人にあげたり、頂いたりするのはまた別の意味が込められているので、大好きですけれど。

と批判的な調子になりましたが、ああいうのが今世の中で受け入れらているのかというのが分かって面白かったです。きっとファンタジーブームの一環なのかもしれません。彼の世界はまさしく幻想的ですもの。

Posted: Sun - November 9, 2003 at 10:37 PM      


©